『アルカディア・フォールン』発売記念!
Galdra Studios にインタビュー!!

左からジェスパー、ダニエル、メッテ

『アルカディア・フォールン』の制作を始めたきっかけは?

私は物心ついたときからゲームを作っていました。幼い頃から兄とは親友のような関係で、ゲームの話をよくしていました。レベルエディターがあるゲームを使い、自分たちのゲームを作って、よく一緒に遊んだりもしました。 スタジオとしてビデオゲームを作り始めたのは、ゲームを通じてプレイヤーが既存のキャラクターを演じるのではなく、プレイヤー自身がなりたい自分をゲームに反映できるような作品を作りたかったからです。

Galdra Studios の拠点はデンマークだと拝見しました。デンマークについて教えてください。

デンマークはスカンジナビア半島の小さな国で、バイキング、おとぎ話、LEGO がよく連想される国です。 北欧の近隣国とは異なり山はありませんが、代わりに緑豊かな森や霧のかかった湿原、たくさんの海岸線があり、霧の中で踊るエルフや沼地でポーションを醸造するトロールなど、さまざまな神話があります。 デンマークの冬は長く退屈になりがちですが、暖かい家の中で読書にふけるには絶好の季節です。デンマークでは、「ヒュッゲ」という概念を大切にしています。ヒュッゲとは「居心地のよさ」「団らん」と訳され、冬に本を読みながら暖かい毛布にくるまっている様子や、森の中をゆっくりと散歩している様子、友人とゲームをしながらテーブルに並べられたお菓子を食べているようなイメージです。安全、信頼、親切といった言葉も「ヒュッゲ」に含まれ、デンマーク人なら誰でも知っている私たちを象徴する言葉であり『アルカディア フォールン』をプレイする皆さんに感じてほしいものです。

『アルカディア・フォールン』を日本で発売したきっかけは?

私たちは、このゲームが日本の皆さんに楽しんでいただけるような唯一無二のストーリーだと確信しています。また、日本と北欧のストーリー作りは違いますが『アルカディア・フォールン』がビジュアルノベルや乙女ゲームのジャンルに新しい影響を与えられたらという期待もあります。私たちが日本のゲームの異国情緒あふれるストーリーに驚嘆したように、北欧の神秘的なストーリーに日本のプレイヤーのみなさんにも驚いていただけることを期待しています。

メッテは日本のアニメの美学に影響を受けたと書いてありましたが、どのようなアニメを見ているのでしょうか?

最近、メッテは『スパイ×ファミリー』や『僕のヒーローアカデミア』を見てい て、CLAMP が作った作品が全部好きだそうです。デンマークにはアニメの文化はあまりありませんが、メッテはドイツとの国境近くで育ったので、セーラームーンや名探偵コナンがよく吹き替えで放送されており、子供のころは独学でドイツ語を勉強していたそうです。ドイツ語は忘れてしまいましたが、アニメのスタイルは好きだそうです。 スタジオのみんなも時々アニメを見ます。ジェスパーは最近『こみっくがーるず』を紹介してくれましたし、私も『スパイ×ファミリー』を見て楽しんでいます(笑)。

ゲーム制作で最も苦労した点は何ですか?

シナリオが間違いなくこのゲームで最も難しい部分でした。『アルカディア フォールン』では、これまでにないほど多くの選択肢があり、それら個々はストーリーへの微妙な影響力があります。キャラクターの性格や行動、他のキャラクターとの関係性によって無数に変化しうるため、選択肢の多さとストーリーに与える影響を考慮し、独自のライティングツールを一から開発しました。

『アルカディア フォールン』の一番楽しいところはどこだと思いますか?

『アルカディア フォールン』は、ユーモアやジョークを散りばめられた軽快なストーリーになっています。このゲームで一番楽しいのは、マイケルとヴィクトリアのやりとりを見ることです。マイケルは無愛想な仲間のビクトリアをからかう、いたずら好きなキャラクターです。

ゲームの中で一番好きなキャラクターは

生みの親に子供を選ばせるのは勘弁してください!(笑)。でも、もし選ぶとしたら、プレイヤーが冒険生活に放り込まれた一因であるピンク色の髪の精霊、ミーメを選ぶかもしれません! ストーリーを通してのテーマは、「誰もが主人公である」ということです。どのキャラクターもプレイヤーが自分自身を表現するものであり、それぞれに進む道や出会いがあるのです。これはミーメにも言えることで、ミーメはゲーム中、まるで妹のようにプレイヤーについて行きます。彼女はまだ若 く、主人公と同じように未知の世界や争いに巻き込まれます。正しいことをしたいけれど、どうしたらいいかわからない。だから、主人公の行動を頼りにして、物語を通して人間的に成長していきます。 ミーメを見れば、どんなキャラクターかすぐにわかると思うのですが、怖がりで、不器用で、プレッシャーを感じていて、その気持ちには多くの人が共感できるもので、私にとっても特別な存在です。

日本のプレイヤーに一言お願いします。

私たちは、皆さんとこのストーリーをシェアできることにとても胸を踊らせてお り、私たちのゲームを楽しんでいただけることに期待しています。『アルカディアフォールン』は、私たち自身も楽しんでいる日本のゲームからインスピレーションを受けています。日本のゲームの優れた点を真似るのではなく、良い意味での「違い」を追求したゲームを作ろうと初期の段階から考えていました。日本の皆さん に、いち早くプレイしていただけるのをとても楽しみにしています!

画像:Gustav Dahl — Instagram: @gustavdahl_photo